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西暦か元号か

西暦か元号か
公文書はできるだけ早く西暦に統一すべきだ

松野町夫 (翻訳家)

新元号「令和」が公表されたとき、私は「令」という漢字に少し違和感を覚えた。「平成」とちがって、「令和」には威圧的な響きがある。

案の定、新元号「令和」に漢字の本家・中国から批判の声があがった。
「令和」は音声上、「零和」を連想させ、「平和ゼロ」「平和な日はない」となり、縁起がよくないのだという。また、「令」は一般に「命令する」という意味が強いので、「令和」は「平和を命令する、平和を強いる」というように解釈されるおそれがある。(参考:SmartFLASH、2019/4/1)

元号に詳しい京都産業大の所功名誉教授によると、「令」の文字を使った元号は1864年に「元治」に改元された際に「令徳」の候補があった。だが幕府側が「徳川に命令する」という意味が込められているとして難色を示し採用されなかったとの記録がある。(日本経済新聞、2019/4/2)

と、ここまで書き終えてNHK 夕方 7時のニュースを見たら、新元号「令和」の考案者は、国際日本文化研究センター名誉教授の中西進氏とのこと。あれぇー、弱ったなあ、中西先生が考案者だと批判の矛先が鈍る。というのは、中西進著『ひらがなでよめばわかる日本語』新潮文庫と、中西進著『日本語の力』集英社文庫は私の愛読書で、この名著から私は日本語について多くのことを学んだから。

しかしそれでもやはり、年代の数え方は西暦が世界標準。西暦はどの国でも通用し、簡単に時代を通算できる。これに対して、元号は島国・日本でしか通用せず、時代の通算に不適切だ。しかも元号は、数十年ごとに改元する必要があり、不便だし、その手間や費用も無視できない。

したがって、少なくとも公文書はできるだけ早く西暦に統一すべきだ。公文書とは、たとえば、免許証、個人番号カード、各種の証明書・申請書・届出などをふくむ。公文書に元号はいらない。
by LanguageSquare | 2019-04-04 11:29 | 歴史 | Comments(0)