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カテゴリ:時制
  • 現在時制(present tense)
    [ 2012-01-20 18:37 ]
  • 時制とは何か?(その3)
    [ 2012-01-10 20:03 ]
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    [ 2012-01-02 01:13 ]
  • 時制
    [ 2008-03-15 11:02 ]
現在時制(present tense)
現在時制(present tense)
I do は現在のことばかりでなく、過去および未来を含む

松野町夫 (翻訳家)

現在時制は現在の動作や状態を示す。しかし今、現在のことばかりではない。今の一時的な状態を示す場合もあるが、たいてい、現在を中心に過去および未来を含む幅広い時間における動作・状態を示す場合が多い。例: Water boils at 100 degrees Celsius. (水は100℃で沸騰する)

■現在の状態を表す(現在の一時的な状態)
I feel very sleepy. とても眠い。
Oh, I'm hungry. When's dinner? あー、おなかがすいた。夕食は何時なの?
I'm very glad to meet you. あなたにお会いできてとてもうれしい。

■現在の状態を表す(現在を中心に過去および未来を含む)
Where do you come from? I come from Japan. ご出身は?日本です。
= Where are you from? I’m from Japan.
He isn’t lazy at all. He always works hard. 彼は怠け者じゃない。いつもよく働く。
She is very hard-working and reliable. 彼女は働き者でしっかりしている。
What do you do? I’m a translator. I work from home. お仕事は?自宅で翻訳しています。
What does she do for a living? [=what is her job?] 彼女の職業は?
She's a lawyer. I'm not sure what her husband does.
弁護士です。ご主人の仕事はわかりません。
He speaks Chinese. 彼は中国語を話す。(今、話しているのではない)
= he can speak Chinese. 彼は中国語を話すことができる。

■現在の習慣・慣習や反復的なできごとを表す
We live in an apartment. 私たちはアパートに住んでいる。
The first train starts at 4:30. 始発電車は4時30分に出る。
I usually get up at seven. 私はたいてい7時に起きる。
I check my email first thing every morning. 私は朝一番にメールをチェックする。
The coffee shop opens at eight in the morning. その喫茶店は朝の8時に開店する。
I always get hungry in the afternoon. 私は昼間、いつもおなかがすく。
The Olympic Games take place every four years. オリンピックは4年ごとに開催される。

■一般的な真理や事実を表す
The earth goes around the sun. 地球は太陽のまわりを回る。
Water boils at 100 degrees Celsius. 水は100℃で沸騰する。

■未来時制を代用する
複文の場合、主節が現在または未来時制のとき、if, when, while, after, before, as soon as, till or until などの接続詞に導かれる従属節では、未来のことでも現在時制を使用する(従属節には単純未来のwill は使用しない)。
I want to play tennis tomorrow if the weather is nice. 天気がよければ、明日、テニスをしたい。
I’ll call you on your cellphone when I get home. 帰宅したら君の携帯に電話します。
If anybody calls while I am out, can you take a message?
外出中に電話があったら、メモをとっておいてください。
Let’s go to the movies after we have dinner. 夕食を食べてから映画を見よう。
I want to see her before she goes out. 彼女が外出する前に会っておきたい。
I’ll email you about the meeting as soon as I check into the hotel.
ミーティングについてはホテルにチェックインしたらすぐに君にメールします。
Wait until (it gets) dark. 暗くなるまで待って。Wait Until Dark はオードリー・ヘプバーン主演の映画。

注記: 「帰宅したら」「電話があったら」「食べてから」「チェックインしたら」など、未来のことなのに、日本語では「~した」が使用される。日本語に時制はない。英語の時制を考えるときは、時間軸を利用して考えることをお奨めしたい。日本語の動詞の活用から類推するのは危険。たとえば、

(外出の際)財布、持った?
Do you have a wallet? (not did you have a wallet?)

(相手の理解を確認する)わかった?
Do you understand? (not did you understand?)

(空腹かどうかを尋ねる)おなか、すいた?
Are you hungry? (not were you hungry?)

(相手の行く先を尋ねる)どこへ行くの?
Where are you going? (not where do you go?)

(レストランで友人に)何を食べる?
What will you have? (not what do you have?)
or What would you like to eat?
by LanguageSquare | 2012-01-20 18:37 | 時制 | Trackback | Comments(0)
時制とは何か?(その3)
時制とは何か?(その3)
時間は今を基点として分類する

松野町夫 (翻訳家)

時間(time)は過去・現在・未来と連続して永久に流れていく。流れは一瞬たりとも停止することはない。切れ目のない連続した時間という概念は、このままでは得体の知れない まか不思議な世界でどうにも手のつけようがない。しかし時間は、今を基点としてそれ以前を過去、それ以降を未来と区別したとたん、私たちは混沌の世界からいっきに解放され、安心安全の境地に到達でき、心おだやかに ものごとの発生した時をわかりやすく正確に表現できるようになる。

ある事柄がいつ起こったかまたは起こるか、つまり時を示すのに英語では now(今)を基点として、それ以前を past(過去)、それ以降を future(未来)と区別する。

では now(今)とは何か?それは話し手が「話しているとき」(発話時点)である。
now = at the time of speaking (= point of speech)。

present = now
past = before now
future = after now

時制はできごとがいつ起こったのか、動詞を語形変化させて時を示すものだが、アスペクトはその動作の様態を示すものである。英語には、完了相と進行相の2つのアスペクトがある。

完了相 → have + 過去分詞
進行相 → be + 現在分詞(ing)

時制(過去・現在・未来)とアスペクト(完了相、進行相)を組み合わせると、12種類の組み合わせ(構文)ができる。これを時制の時間軸(tense timeline)で図示すると以下のようになる。

【画像はクリックすると拡大します】

時制という概念は日本語にないので、日本人には理解しがたいところがある。日本語の動詞は活用するので日本語にも時制があると誤解している人は多い。私も昔、そう思っていた。日本語の動詞には過去形や現在形、未来形があると信じていた。たとえば、「私は~する」は現在形、「私は~した」は過去形、「私は~するでしょう」は未来形と。しかし日本語の「~した」「~する」は完了・未完了を示す語で、過去・現在という時制を示すものではない。日本語に時制はない。

英語の時制を考えるときは、時間軸を利用して考えることをお奨めしたい。日本語の動詞の活用から類推するのは危険、袋小路に落ち込む場合がある。英語の時制は、今現在、つまり話者の発話の時点 (at the time of speaking) を基準に、実に単純明快に構成されている。時制は時間軸を利用するとわかりやすい。

なお、この時間軸には I will do (1) と I am going to do (~するつもり)という日本人がまちがいやすい構文をあえて追加した(この2つを除くと、12種の構文となる)。ちなみにこの時間軸の画像は、エクセルで描画し、通常のプリンタの代わりにCubePDFを使用して印刷し、PDF化した画像をCubePDF付属のスナップショットカメラで撮影(コピー)し、ペイントに貼り付け jpg 形式で保存し、ウェブページにアップロードした。
by LanguageSquare | 2012-01-10 20:03 | 時制 | Trackback | Comments(0)
時制とは何か?(その2)
時制とは何か?(その2)
日本語に時制はない

松野町夫 (翻訳家)

時間(time)は万国共通の普遍的な概念であるが、時を示す表現方法は言語により異なる。ある事柄がいつ起こったかまたは起こるか、時を示すのに英語では動詞を変化させて過去・現在を表現する。これが時制(テンス)だ。英語には現在と過去の2つの時制しかない(例: do → did)。

日本語の動詞は活用するので日本語にも時制があると誤解しそうだ。「~する」は現在、「~した」は過去と信じている人が多い。しかし、これは表面的にそう見えるだけにすぎない。小説やショートショートなどを注意深く読むと、そうでないことはすぐにわかる。日本語の「~した」「~する」は完了・未完了を示す語で、過去・現在という時制を示すものではない。

ためしに、「~する」を現在形、「~した」を過去形と仮定して、たとえば、星新一著『ノックの音が』 新潮文庫の53ページ「金色のピン」を検証してみよう。

ノックの音がした。
夏の夜の八時ごろ。だが、そう暑くはない。なぜなら、ここは高原地方にあるホテルの一室なのだから。晴れた昼間であれば、窓のそとに広がるゴルフ場や、そのむこうの白樺の林や、さらに遠くの山々を眺めることができる。しかし、いまは夜であり、霧が出たらしく、そとには静かな暗さしかただよっていない。しめた窓ガラスの外側には、光を慕って集まってきた昆虫たちが、点々ととまっている。

「ノックの音がした」は、あきらかに過去の話である。ではつぎの、「夏の夜の八時ごろ」はどうだろうか。この文にはそもそも動詞がないので時制は示されていない。しかし、日本人ならこれは過去の話だとすぐにわかる。つぎに「だが、そう暑くはない」は、意味としては過去の話であるが、ことばでは「~しない」という現在形が使用されている。以下、「~の一室なのだから」、「~を眺めることができる」、「ただよっていない」、「点々ととまっている」という具合に、過去の話なのに、すべて現在形が使用されている。

日本語では、過去の話なのに現在形を使用したり、過去形と現在形が混在したりするのはよくあることだ。これが英語の場合、過去の話であれば、動詞や助動詞はすべて過去形を使用する必要がある。
以下に、『ノックの音が』の翻訳版、訳者スタンレー・H・ジョーンズ(Stanleigh H. Jones) “There was a knock” 講談社英語文庫の48ページ “The Gold Pin” から引用する。

There was a knock.
It was about eight o’clock on a warm summer evening in a room at a hotel in the mountains.
Had there been any light, one could have seen the golf course outside, with the birch trees beyond and the mountains in the distance. But night had fallen, a mist had come up, and everything was still and dark. The windows was closed, and insects, attracted by the light, clung motionless to the panes.

上記の太字の部分 was, Had, could, had, clung などの動詞や助動詞はすべて過去形である。これを現在形の is, Has, has, can, cling に変更することはできない。

Had there been any light, one could have seen the golf course outside.
= If there had been any light, one could have seen the golf course outside.
(明かりがあったら、そとのゴルフ場が見えたのだが。)

これは仮定法過去完了の英文である。仮定法過去完了は過去の事実に反することを述べるときに使用する。当然、時制は過去である。過去完了は過去時制と完了相を組み合わせたもの。

But night had fallen.
(しかし夜になっていた。)

これは(直説法の)過去完了の英文である。過去完了(past perfect)は過去のある時点を基準としてそれ以前の時を表す。別名、大過去(pluperfect)とか、「過去の過去」などと呼ばれているが、その本質は過去時制と完了相を組み合わせたものにすぎない。つまり時制は過去、アスペクト(相)は完了相。
英語には時制は現在と過去の2つ、アスペクト(相)は完了相と進行相の2つしかないが、これらを組み合わせることで、たとえば、現在完了、過去完了、現在進行形、過去進行形など、合計8種類(未来時制を認めれば12種類)の組み合わせができる。

いずれにしろ、英語では「過去の話には過去形を使用する」は原則である。英語の時制は単純明快だ。では例文をもうひとつ(同書「和解の神」64ページから抜粋する)。

部屋のなかには、ひとりの男が落ち着かぬようすですわっていた。そとを眺めようともせず、腕時計ばかり気にしている。机の上の灰皿には、まだ長いタバコの吸殻が、すでに何本もたまっている

A man was sitting in the room, looking ill at ease. He seemed uninterested in the view and kept on glancing nervously at his wristwatch. The ashtray on the table was filled with half-smoked cigarettes.

これも過去の話なのに、日本語では「いた」「いる」「いる」と過去形と現在形が混在しているが、まったく違和感はない。もちろん、NHKスペシャルのナレーションみたいに、これをすべて「いた」に変更することもできる。しかしそれだと単調で日本語としてのすわりが悪くなる。

英語では was, seemed, kept, was とすべて過去時制で統一されている。これを現在時制の is, seem(s), keep(s), is に変更することはできない。

英語では過去の話には過去形を使用するのが原則。しかし原則には例外がつきものだ。
ストーリージョークなどを話すときには、英語でも現在形を使うことはよくある。(もちろん過去形でも一向にかまわないが)。たとえば、

A teacher asks her class, “Children, what part of the human body expands twelve times when it is stimulated.” Susie, in the front row, starts giggling and laughing, trying to cover her mouth with her hand...

(先生が生徒に質問する。「みなさん、人間の身体の一部で、刺激すると12倍にふくらむのは何でしょう?」。最前列に座っているスージーがくすくす笑い始め、手で口をおおうしぐさをする…)

物語や小話などでも、過去の話なのに、そのできごとを強調するために、現在時制を使用する場合もある。過去形を使用すべきところに現在形が使用されるのでなにか異様な感じがし、それが結果的にできごとを強調するという仕組みだ。たとえば、

I was sitting in the park, reading a newspaper, when all of a sudden this dog jumps at me.
(直訳: 公園に座って新聞を読んでいたら、突然、この犬が私に飛びかかってくる。)

注記: この技法は日本語ではまったく効果を発揮しない。むしろ、「この犬が私に飛びかかってきた」の方が迫力がある。

また、新聞の見出しなどでも過去の話なのに現在形を使用する。これは今おきている事件という印象を与えて読者の注目を引くためであり、日本の新聞でも同様だ。しかし、こうした例はあくまでも例外であり、原則はやはり、英語では過去の話には過去形を使用する、と考えてまちがいない。
by LanguageSquare | 2012-01-05 09:51 | 時制 | Trackback | Comments(0)
時制とは何か?(その1)
時制とは何か?(その1)
時制(tense)とアスペクト(aspect)

松野町夫 (翻訳家)

時制を考える前に、まず、日本語の時間に関係する用語を検討したい。

時(とき)=過去・現在・未来と連続して永久に流れていく現象。用例: 時は流れる。
時間=時の2点間の長さ。ある時刻と他の時刻との間。用例: 出発まで時間がない。
時刻=時の経過のうちの特定の一瞬。きまった時。時点。用例: 発車時刻

しかし、現代日本語では「時刻」の使用頻度は低下傾向にある。本来、「発車時刻」というべきなのに「発車時間」という人が多い。また、時刻を記載した「時刻表」」も「時間表」とか「タイムテーブル」とかいう人が増えた。「とき」「時間」「時刻」という3つの類義語は、「時間」というひとつの用語に収束されつつあるようだ。

おそらくこうした傾向の背景には、哲学や物理で「時間」という用語が採用され定着していることや、外来語「タイム」の影響もあるのかもしれない。タイム=時間。ちなみに英語では、「とき」「時間」「時刻」を一括して time という。たとえば、

は流れる。 → Time passes.
出発まで時間がない。 → We have no time before departure.
発車時刻 → departure time
今、何ですか? → What time is it? or What’s the time?

注記:ただし特定の時間帯は hour を使用する。
例:朝のラッシュ時間(the morning rush hour)、勤務時間(office [or business] hours)など。

「とき」はやまとことば。「時間」や「時刻」は漢語である。やまとことばは日本語の根幹を支える基礎語なので、たとえ学術用語として採用されなかったとしても、そうやすやすと消え去ることはない。とくに、「とき」のような基本語の場合は。「子供の時に」、「またよい時もあるさ」、「時と場合によっては」、「時の人として脚光を浴びる」、「別れの時が来た」、「時のたつのを忘れて」、「ドアをあけたとき大声がした」など、やまとことばの「とき」は、私たちの心の奥底に根づいている。

時間(time)は万国共通の普遍的な概念である。時を認識する能力は人間だけでなく、おそらくすべての生物が共有する普遍的なものかもしれない。認識に程度の差はあるにしても…。たとえば、忠犬ハチ公は、主人はすでに亡くなったというのに、夕方になるといつも渋谷駅前に出かけ、主人の帰りを待ち続けたという。これは、少なくとも朝・昼・夕方・夜というおおまかな時を認識する能力が犬にあることをうかがわせる。

時制とは何か?

時(とき)と時制は異なる。
時(time)は、万国共通の普遍的な概念だが、時制(tense)は、英語などヨーロッパ語において、動詞を変化させて過去・現在・未来など時を示す文法形式である。ある事柄がいつ起こったかまたは起こるか、つまり時を示すのに動詞を変化させるのが時制(テンス)であり、英語では時制を使用して時を示す。時を示す方法は時制だけが唯一の方法ではない。また、それがとくに優れているというわけでもない。中国語の動詞は変化しない。だから中国語に時制はない。時を示す方法は言語により異なる。

英語には現在と過去の2つの時制しかない。たとえば、check を例にとると、check - checked.

彼はメールをチェックする(した)。
He checks his email. (現在時制)
He checked his email. (過去時制)

多くの動詞や助動詞も、たいてい現在と過去を示す2つの形しか持たない。動詞の語形変化から見るかぎり、英語には現在と過去の2つの時制しかない。実際、そのように主張する文法学者も大勢いるし、私もそうだと思う。しかし、意味から見れば、未来を示す形があった方が英語の学習に何かと便利である。そこで、伝統的にというか、便宜的にというか、動詞の前に助動詞の will をつけた形を未来時制として扱うのが通例となっている。

He will check his email. (未来時制)

英語には過去・現在・未来という3つの時制がある(ということにする)。

アスペクトとは何か?

アスペクト(aspect)とは、動詞の表す動作の様態を示す文法形式である。もっと具体的に言うと、動作が完了しているのかいないのか、継続しているのかいないのか、進行しているのかいないのかなど、その動作の様態のちがいを示す。それがアスペクト。日本語の訳語は「相(そう)」。aspect = 相。

aspect
[U, C] (grammar) the form of a verb that shows, for example, whether the action happens once or repeatedly, is completed or still continuing. (from OALD7)

時制とアスペクトは異なる。時制はできごとがいつ起こったのか、時を示すものだが、アスペクトはその動作の様態を示すものである。

英語には、完了相と進行相の2つのアスペクトがある。

完了相 → have + 過去分詞
進行相 → be + 現在分詞(ing)

たとえば、

He has checked his email. → 完了相 (現在時制)
He is checking his email. → 進行相 (現在時制)
*上記2つの文は、アスペクトの点ではそれぞれ完了相、進行相と対立しているが、時制はいずれも現在時制である。

He had checked his email. → 完了相 (過去時制)
He was checking his email. → 進行相 (過去時制)
*上記2つの文は、アスペクトの点ではそれぞれ完了相、進行相と対立しているが、時制はいずれも過去時制である。

He has been checking his email. → 完了進行相 (現在時制)
He had been checking his email. → 完了進行相 (過去時制)
*上記2つの文は、アスペクトの点ではいずれも完了進行相だが、時制は現在時制、過去時制と対立している。

時制とアスペクト(完了相、進行相)を組み合わせると、以下のように12種類の組み合わせができる。

時制(tense):
現在時制 → He checks his email.
過去時制 → He checked his email.
未来時制 → He will check his email.

完了相(perfective aspect):
現在完了形 → He has checked his email.
過去完了形 → He had checked his email.
未来完了形 → He will have checked his email.

進行相(progressive aspect):
現在進行形 → He is checking his email.
過去進行形 → He was checking his email.
未来進行形 → He will be checking his email.

完了進行相(perfect progressive aspect):
現在完了進行形 → He has been checking his email.
過去完了進行形 → He had been checking his email.
未来完了進行形 → He will have been checking his email.
by LanguageSquare | 2012-01-02 01:13 | 時制 | Trackback | Comments(0)
時制
過去、現在、未来 (past, now, future)

松野町夫 (翻訳家)

時は流れる。過去から現在・未来へと。ある事柄がいつ起こったか、または起こるかを表すのに、言語によりそれぞれ表現方法(文法)が異なる。英語などヨーロッパ語族では、動詞を過去形、現在形などと変化させて表現する、つまり時制 (tense) を使用して表現する。中国語には時制はなく動詞は変化しない。日本語では、動詞は活用はするが時制はない。時制がないからといって別に悲観することはない。単に、表現方法がちがうだけの話。

しかし、日本語には時制があると誤解している人は多い。私も昔、そう思っていた。日本語の動詞には過去形や現在形、未来形があると信じていた。たとえば、「私は~する」は現在形、「私は~した」は過去形、「私は~するでしょう」は未来形と。中学校の英語の時間にそのように教えられたような気がする。確かに単文だけで考えるとそのように見えないこともない。しかし、次のような複文にすると、日本語には時制がないことは一目瞭然だ。

I'll phone her after I go out. (未来形)
外出してから(=外出した後で)私は彼女に電話します。
注: まだ外出していないので英語の時制は非過去だが、日本語では「外出した後で」と表現する。

I phoned her before I went out. (過去形)
外出する前に私は彼女に電話した。
注: すでに外出したので英語の時制は過去だが、日本語では「外出する前に」と表現する。以前、「外出した前に」にと訳した友人に、日本語では「外出する前に」と表現しますよね、と言ったところ、「だって、英文が過去形だから、日本語も過去形にして忠実に訳したつもりだ」と言われたことがある。しかし、これはもちろんまちがい。「外出した前に」というような表現は日本語にはない。

実際のビジネスの現場でも、「シンガポールに行ってからマレーシアを訪問します」を
I'm going to visit Malaysia after I go to Singapore. と表現すべきところを
I'm going to visit Malaysia after I went to Singapore. と誤って言う日本人は多い。これも、日本語の「シンガポールに行ってから」という表現に惑わされたものと言えよう。

また、出勤時、私が家を出るとき
妻: 定期券、持った? (= Do you have your train pass? またはHave you got ~)
これを「持った」にひきずられて、 Did you have your train pass? と言えば、それはまちがい。

英語の時制を考えるとき、日本語で理解しようとすると、かえってややこしくなる。日本語に時制はない。過去の話は、英語ではすべて過去形で表現するが、日本語では「~した」ばかりが続くと文章がどうしても単調になってしまうので「~する」を適当に挿入して表現にメリハリをつける場合が多い。たとえば、芥川龍之介の『鼻』の冒頭の部分を引用する。

 禅智内供(ぜんちないぐ)の鼻と云えば、池の尾で知らない者はない。長さは五六寸あって上唇(うわくちびる)の上から顋(あご)の下まで下っている。形は元も先も同じように太い。云わば細長い腸詰(ちょうづ)めのような物が、ぶらりと顔のまん中からぶら下っているのである。
 五十歳を越えた内供は、沙弥(しゃみ)の昔から、内道場供奉(ないどうじょうぐぶ)の職に陞(のぼ)った今日(こんにち)まで、内心では始終この鼻を苦に病んで来た。勿論(もちろん)表面では、今でもさほど気にならないような顔をしてすましている。これは専念に当来(とうらい)の浄土(じょうど)を渇仰(かつぎょう)すべき僧侶(そうりょ)の身で、鼻の心配をするのが悪いと思ったからばかりではない。それよりむしろ、自分で鼻を気にしていると云う事を、人に知られるのが嫌だったからである。内供は日常の談話の中に、鼻と云う語が出て来るのを何よりも惧(おそ)れていた。

文末に注目すると、「知らない者はない」、「下っている」、「太い」、「いるのである」、「病んで来た」、「すましている」、「ばかりではない」、「嫌だったからである」、「惧(おそ)れていた」など、バラエティに富んでいる。日本語ではこれは普通のこと。文末をすべて「~した」に統一して、「知らない者はいなかった」、「下っていた」、「太かった」、「いたのであった」、「病んで来た」、「すましていた」、「ばかりではなかった」、「嫌だったからであった」、「惧(おそ)れていた」などにすると、おそろしく単調な文の連続となり、読む気も失せる。過去の話であっても日本語で書く場合、「~する」を使用するか、「~した」を使用するかは書き手の美意識、任意性に依存する。

しかし、英語では上述の文は過去の話なので、すべて過去形で表現する必要がある。必然性があるのだ。ここには、現在形で表現する箇所はない。英語の時制は、「時間軸」という単純明快な概念に基づいた、きわめて論理的な仕組みなので、一度、時制の仕組みを理解したら大丈夫、もう、時制で悩むことはなくなる。

英語には以下のように12種類の時制がある。

1. I do something. 現在形
2. I am doing something. 現在進行形
3. I have done something. 現在完了形
4. I have been doing something. 現在完了進行形

5. I did something. 過去形
6. I was doing something. 過去進行形
7. I had done something. 過去完了形
8. I had been doing something. 過去完了進行形

9. I will do something. 未来形
10. I will be doing something. 未来進行形
11. I will have done something. 未来完了形
12. I will have been doing something. 未来完了進行形

英語の時制は、今現在、つまり話者の発話の時点 (at the time of speaking) を基準に、実に単純明快に構成されている。以下のような時間軸を利用するとわかりやすい。Now (現在)の左側に過去、右側に未来が来る。上記12種類の時制は、いずれも、この時間軸の特定の地点、または領域に位置することになる。英米人は時制の説明には通常、この時間軸を使用する。

注: 12種類の時制の説明には、12の時間軸を使用して個別に説明した方が誤解がなくてよいのだが、ここでは紙面の都合上、6種類の時制(1, 3, 5, 7, 9, 11)を例として一度に取り上げ、ひとつの時間軸に表示した。したがって、5と7、あるいは11と9の位置関係は、それぞれお互いに無関係。


英語の時制を考えるときは、いつも、この時間軸を利用して考えることをお奨めしたい。日本語の動詞の活用から類推するのは危険、袋小路に入り込む場合もあるので。だいぶ以前、日本語の文法(国文法)を英文法の概念を転用して再構築する試みが日本の文法学者の間で流行したこともあったが、残念ながら注目に値する成果は得られていない。日本語はやはり日本語から、英語はやはり英語から類推した方が近道なのではないか、と思う。
by LanguageSquare | 2008-03-15 11:02 | 時制 | Trackback | Comments(0)